保研オフィスへご相談いただいた人的リスクの事故事例と対策をご紹介します。
ハラスメント
中間管理職の「セクハラ」で会社に慰謝料請求!?
同僚から性的な嫌がらせを受け、出勤できなくなったとして、上司と会社が管理責任を問われ損害賠償を請求させれた。
従業員を守る法制度は充実しているため個別労働紛争の結果、会社が賠償責任を負うケースがある点に注意が必要です。今回のようなセクハラ行為が個人間であったとしても賠償責任が会社に及ぶ場合もあります。また賠償金だけではなく、裁判のための弁護士費用も負担しなければならない場合もあります。
対策のポイント
突発的な事故
社員の健康管理は会社の責任!?
メーカー勤務の男性(33歳)が勤務中に小脳出血で倒れて寝たきり状態になった。
メーカーに賠償金支払いを命じた判決のなかで、裁判長は発症前の時間外労働が12日間で約61時間だった点を挙げ、発症との因果関係を認めた。(大阪地方裁判所、平成20年4月28日)
小脳出血が労働環境によるものであるかどうかを確定するために、徹底的な医学的な調査が必要です。
もし事例のように遺族が提起した通り、過重な労働が原因となったと証明される場合、事例の通り企業に責任が問われる可能があります。2020年4月の改正民法によって、法定利率とともにライプニッツ係数も変更されたことにより、従業員が労働環境により死亡や後遺障害が残った場合の賠償金額が高額になる傾向にあります。
対策のポイント
長期間働けない
病気で収入が減少した社員の救世主!?
傷病名:慢性腎不全(42歳/女性)血液検査を受けたところ慢性腎不全との診断を受け、就業が困難な状態となる。透析治療を行っているが、就業復帰の目処はたっていない。
支払保険金:保険金額20万円 1,440万円を支払済み。
支払期間:44歳から60歳まで16年間支払予定。
GLTD(団体長期障害所得補償保険)とは、従業員が病気やケガで長期間にわたって働けなくなった場合に、定年年齢まで収入を補償する企業向けの保険です。有給休暇や健康保険だけでは賄えない所得喪失をサポートします。事例のように仕事とは関係のない病気であっても補償可能であり、病気やケガの際に生活の心配をすることなく、療養に専念できる環境を提供することで、社員の早期復職の支援が可能となります。
労使トラブルの回避の効果も期待できる。労災訴訟が発生する原因の一つとして、生活困窮の元となる所得減少が挙げられる。GLTDを導入していれば、就労できない場合に補償がされるため、所得減少のリスクを抑えられる。
対策のポイント
デジタル社会
サイバー攻撃は中小企業には関係ない!?
閲覧したウェブサイトに掲載されたファイルを開きマルウェアに感染し、顧客情報が漏えいした。原因・被害範囲の調査費用、データの復旧費用、不正なプログラムの除去費用および再発防止のためのコンサルティング費用を支出した。
「サイバー攻撃は中小企業には関係ない」というのは過去の話で、経済産業省によると、サイバー被害(ランサムウェア被害)の割合は中小企業が53%を占め、また中小企業のうち、過去3年間、全くセキュリティ投資をしていないと回答する企業が3割に上ります。サイバー攻撃の頻度は増え続けており、2023年第1四半期には全世界で1組織あたり週平均1248回の攻撃を受けていました。これは前年同期に比べて7%増加したものです。
対策のポイント
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